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未来のドッグフード

ドッグフードが登場した当初、当然その風味や食感は数多くのヒット製品が流通する今日のそれらとは比較にならない程、今振り返れば稚拙であった事は否定出来ません。
これは私達人間のインスタント食品にも言える事であり、カップ麺などの即席商品の味と食感の驚くべき工場進歩を振り返れば理解出来る通りです。

思えば可哀想ですが、犬の寿命は平均して長くて十数年です。
人生80年の私達とは違い、彼等は限られた一生の中、ドッグフードの進化をその下と味覚で確かめる事が出来ません。
生物学的に見ても犬達はその卓越した嗅覚に反し、味覚は非常に疎く、私達が感じる「甘い・辛い・酸っぱい・苦い」といった味覚を明確に有してはいません。
また視覚的に「目で見て味を楽しむ」感覚も有してはおらず、言い切ってしまえば寂しく感じられますが、ドッグフードの美味しさ、優れた食感、見た目の鮮やかさなどを製造メーカーが訴えているそのターゲットは、間違いなく私達飼い主なのです。

それでもドッグフードの開発研究に尽力を注ぐ人達は後を絶っておらず、それは単に商業的に「美味しい市場」という見地からだけとは思いたくありません。
純粋に犬が大好きで、少しでも彼等が喜んで食してくれるであろうドッグフードを届けてあげたい情熱から、各社スタッフが製品改良に心血を注いでいる事を見逃してはならないと声を大にしておきたいと思います。
事実単に「売上=お金」だけを目的としていたのであれば、黎明期から今日に至るドッグフードの進化は有り得なかったでしょう。

犬と人間は異なる生命体であり、同じ頻度で同じ食材を「美味しいね」と共感する事は不可能であるというのが、今現在の諸々の検証結果から導き出された結論です。
味覚も資格も嗅覚も異なる生命体が「美味しい」という感覚を共有する事はおそらく不可能でしょうが、おそらく各ドッグフードメーカーは水面下で既に、この超難題のクリアに挑んでいるのではと思えてなりません。
既にドッグフード市場に於ける流通商品群は飽和状態であり、厳しい淘汰が日々繰り返されています。
メディアを用いて購買者層に訴える文言や着眼点も出尽くした感が否めません。
近い将来、仮に「ドッグフード市場の半永久的独占企業」が登場するとすれば、それは「飼い主と愛犬が一緒に美味しく食する事が出来るドッグ&人間フード」を開発した企業ではないでしょうか。


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